日常お題 1.目覚まし時計

 

うちで一番早く起きるのは僕だ。
枕元の目覚まし時計がベルの音がする。

「ん…」

朝は割と得意なほうだ。
今日はいつもより暖かしい、カーテンの隙間からの日差しも相まってすんなり起きられた。

ところで、うちには今の所ひとつしか目覚まし時計がない。

僕はいつもの格好に着替えると、目覚まし時計を持って部屋を出た。
向かうのはリンの部屋だ。

「リン、リン起きて」

「んーあと5分…」
ゆっくりと肩を揺らすと、布団を被る様に僕に背を向ける。
「じゃあ、今日は朝ごはんいらない?」
「い、いるっっ」

ふたりで朝食を食べるのは日課だ。
飛び起きたリンに軽くキスをして、今度はレン君の部屋に向かう。
リンはまだ眠いのか、指先はいつもよりも熱かった。

いくらもしないうちにレン君の部屋には着く。
僕はいつものように7:00に合わせた目覚まし時計を扉を開けてすぐの所に置く。
ふとベッドのほうに目をやるとさっきのリンと同じような格好で寝ていた。
やっぱり双子なんだな、と微笑ましくなる。

「じゃ、行こうか」
「リン、ハムエッグがいい」

「じゃあ今日はハムエッグにしよう」

双子が来る前まではミクの部屋に9:00に合わせたそれを置いていた。
きっとレン君もそうしているに違いない。

そんなこんなで、うちには目覚まし時計がひとつしかない。
でもそれはそれでいいと思う。

 

今回のお題はほのぼのボカロ家でいきますよw

 

 

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