朝、リンがカイトの部屋から出てくるのを目撃した。
しかもカイトのTシャツを着て眠そうな目を擦るオプションつきで。

「リンちゃん、おめでとう〜」
ミクはいつになく嬉しそうな表情でリンに駆け寄った。
「え、何が何が??」
後で詳細を聞かせてね、と抜群の笑顔で言うミクに頭の中がはてなでいっぱいになる。
「ついに一線を越えたんじゃないの」
「いっせんってなに?」

 

レン君の受難3

 

「もーつまんない!!!!!!」

「ハイハイ」
もうこのパターンにも飽きた、と言わんばかりのレンは生返事をしたものの、手元の雑誌からは目を離さなかった。
「一夜を共にしたのに、セックスもないなんてありえない!!」
「あのー…俺もう行ってもいいですか?」
朝食と一緒に出てきたバナナ牛乳の味もこんな状態じゃわかりゃしない。
「これはあたしたちがサポートしてあげるしかないと思わない?」
「ハイ?」
「お兄ちゃん旧型だからセックス知らないのよ、きっと」
「ハイ?」
「それにリンちゃんはああみえて恥ずかしがりやさんだし」
「ハァ…」

「じゃあ決まりね☆」

ミクは気持ち悪いくらいにっこり笑うとレンの手を取った。
ご覧のとおり、喋らせてもらえるような隙は一切なかった…

 

作戦会議中。

「リンちゃん、最近なんか悩んでなかった?」
「別に…」
「双子の片割れでしょ、もっと真剣に答えなさいよ!」
ミクがこぶしで机をばんと叩くと、飲み終えたバナナ牛乳のコップが倒れる。
底のほうに残っていた牛乳がゆっくりテーブルクロスに染み込んでいった。
それを見て、ミクは顔をしかめる。
「……牛乳……貧乳!そうよそれよ、レン!!」
今のミクは目がきらきらして輝いて見える(輝いている理由は考えないことにする)。
さっきすごんできたときはものすごい顔だったのに…女って怖い、とレンは思う。
「リンちゃんはきっと貧乳に悩んでてお兄ちゃんの前で脱げないのよ」
ミクは嬉しそうにパン、と手を合わせた。

「さー、そーとなればボーカロイドの胸を大きくする方法を調べるのよ」
ミクはどこから取り出したのか手に持った長ネギをレンにびしっと向けた。
…それ自分のためにやったほうがいいんじゃない?
はぁ…とため息を漏らし、言いたくなるのをぎりぎりで我慢する。
「何かな〜レン君(ハァト)」

瞬間、ネギが大きく振りかざされているのが見えた。

 

 

あああ、この二人のコンビが何気に好きなのですw

 

その後のリンとカイト↓↓

「ねぇ、今日のミクちゃん変だったけど、どうしたのかなぁ…」
「リン…誤解を招くからその格好で僕のことを起こしに来るのは止めようね?」
「誤解って何!??」

 

 

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