その日はとても寒くて、お風呂でゆっくり温まったはずなのにバスマットから足を下ろすとその指の先からきぃんと伝わるそれが神経を震わせる。
久しぶりにカイトと一緒に布団に入りたくて、自分の部屋の前を通り過ぎた。
あたためてあげる
「にいに、入るねー…」
そぉっと、カイトの部屋の扉を開く。
別に声をかけなくたって怒られたりはしないけど、コンコンとノックもした。
でも返ってくる声はない。つけっぱなしの電気スタンド。
開いたままの本。
すやすやと寝息を立てるカイト。「また見ながら寝てる…」
リンが貸した本だ。結構面白いと思ったのに、これを読んでいるカイトは机で、床で、いつも目を瞑っている。
今日はベッドの上だけど…でも年上とは思えないあどけない寝顔は嫌いじゃない。
このままずっと見ているのも全然ありだけど、如何せん、寒い。
リンはぶるっと子猫のように身体を震わせる。先ずは本の所為で不自然な姿勢を直すべく、握られていた本を机の上に置く。
カイトは身体は横向きになのでこっそりお邪魔するには丁度よい。
そんな事を考えながら、ふと触れたその指先は思ったよりも冷たい。
「にいにも寒い?」
それからカイトの胸板に背中を預けるような姿勢で素早く潜り込んだ。
「にいにあったかい…」
寒いからとかそんなのはただの言い訳で。
布団から出ていた冷たくなった左手をぎゅっと胸元に抱きしめる。
「……ん…リン?」
「あっ、ごめん、起こした?」
「いいよ」
それもやっぱり言い訳で。だから声を聞きたくてわざと握り締めた。「リンの夢、見てたんだ」
カイトはリンに包まれた手を握り返して、それから金髪の首筋に顔を埋める。
くすぐったくてリンは首をすくめた。
ただ、温かくて。眩暈がした。
前にもおんなじようなの書いた気がする…でも今書きたいものを書く。それが私クオリティ…orz
こっから先は別になくてもいいやって思って本文から消した、エロのターン。見たい方だけドウゾ。
「……リン、前にも言ったような気がするけど……」
「ん、なに?」
甘ったるい声で少し振り向くと、カイトは妙に気まずそうな顔をしていた。「寝る時下着つけ……その、寒いんでしょ?ここからお風呂遠いし…あの……」
「にっにいにのえっ……んっ」
「ほら、下着つけないから。乳首立っちゃってるよ」
カイトはその触れているリンの敏感な部分を指先で摘む。
気まずいんじゃなくて我慢できなかったのか。聞ける勇気はないけど。
「あっ……やっ……」
「いっぱい、あたためてあげる」
「あ、……んっ…」
ぎゅっとリンを抱き寄せてから、もう一度そこを丁寧に親指の爪で引っかくと、リンの体がぴくぴくと震えだした。
ちいさな声が何度も漏れて、髪の間から見える耳が赤く染まる。
指の動きを早めるとリンのそこは硬くなって更にその存在を主張しだす。
「気持ちいい?反対側も触ってないのにこんなになってる」
キャミソールの上から撫でるように指を掠めるとリンはびくんと一度大きく揺れた。
「…あっ…あっ……んんっっ」
「もっと声、聞かせて」
耳を舐めるとひときわ甘い声が漏れる。
「リン、だいすき……」
「にいっ…」
「そろそろ顔見たいな?」
カイトはリンの体にまたがると、今日初めての口付けをした。
舌を絡めると
「リンも好きって言って」
目が合うとリンは火照った顔を更に高潮させて自分にも聞こえなさそうな小さな声で「すき」と言ったようだ。
こんな時は本当にボーカロイドでよかったと思う。そんな小さな声まで届くから。
カイトは満足そうに笑いかけると再びリンの胸に手を伸ばす。
「……もっ…にいっ…」
だめ、と押しのけようとするリンの動きは弱弱しくて背中がぞくぞくした。
「じゃあこっち触るね」
するっと下着に手を滑らせてリンの一番好きなところに触れる。
「ひゃぁ…ぅ」
「相変わらず感じやすいね、リン」
「そんなことな……んっ」
ぷっくりとしたそこはもう十分やわらかくなっており、流れ出た液体が指先にリンの本当の気持ちがまとわりつく。
「かわいい、リン」
人差し指と親指で挟むように擦り合わせると、細い腰が動きに合わせて揺れた。
「あんっ……んっ…はぁ…んっ」
「ここが一番スキだもんね?」
「そん……んっっ」
否定ばかりする口を舌で絡めとって指の動きを速める。
「……っ…あっ」
ぎゅっと抱きついてきたリンはそのあと軽く痙攣をしてくたっと動かなくなった。
最後にとろりと溢れた液がカイトの手首まで流れ落ちた。
「あたたまった?」
「ん……」
自分を慈しむ様に優しく撫でてくれるカイトの手がずるい。
目が合うとぎゅっと抱きしめられた。
「じゃ、寝ようか」
「にいには…」
「僕はいいよ、折角リンが暖まったんだからこのまま早く寝よう?」
そう言ってリンが眠りやすいようにそっと体制を変える。「でもっ…」
リンが最後まで言う前にカイトはもう目を瞑ってしまっていた。
「私って魅力ないのかな…」そんなことないのは十分分かっているから不安にはならないけれど、カイトはどうも淡白過ぎるところがある。
そうだ、あの本無理して読まなくていいよって言わないと…
結局、リンがそんな風に仕掛けたって、カイトの態度は変わらない。
ため息したらいいのかほっとしていいのか分からない。
ゆっくり、進んでいけばいいのはわかっているけど。
リンは一度息を吐いて、それからまたゆっくり目を閉じた。