「ねぇリン」

 

「カイ兄?」

 

その時、カイ兄の笑顔には本当に何も浮かんでいなかった。

 

「リン」
「なぁに?」

いつもならこれでもかってぐらいわかりやすいのに・・・
「ごめんね」
そう言って兄が振り上げた腕には、銀色の刃

 

「ずっと、一緒だよ」

 

そういって最後に見た笑顔は、いつもと同じ笑顔だった。

 

 

inserted by FC2 system