カイリンチャット--年齢差に関する萌妄想--

 

KAITOお兄さんとリンとは可愛くて仕方ないくらいの年齢差。
その設定年齢差5〜7歳くらい(カイリンチャット調べ)。
兄さんはリンにめろめろで、毎日こっちが恥ずかしくなるくらい可愛がっている。

リンはそんな兄さんに気まぐれにじゃれてきたり。拗ねたり。
今日の気分は後者のようだ。
そんな様子にも兄さんはお構いなし。
今もリンを可愛がるその手は緩むことはない。

「もーやめて!!」
「リンー、大好きだよー」

リンが怒ろうが拗ねようがそんなことは関係ない。
いつもリンの方が根負けで。でも別に嫌なわけじゃない、むしろ嬉しい。

 

そんなある日。
兄さんにマスターから久しぶりの新曲のレコーディングの話があった。

「ねー」
「ごめんね、今日は…」
「ねーってば」

朝から兄さんはばたばたと忙しそうだ。
今日は朝から満足な会話すらしていない。
兄さんの行き過ぎた愛撫もなけりゃないで寂しいらしく、リンはさっきからずっと後ろからついて来ている。

「待って」

たまらなくなったのか、ひらひらと浮いたマフラーを、くいっと引っ張った。
その様子は機から見ればリードのようにも見える。
リンはそのまま掴んだマフラーの片端を自分の首に巻いて、後ろから、だっこ!、とおねだりをした。

 

──完敗だ。

今日は 本当に久しぶりのソロボーカルなのに。
そのまま抱っこしたリンを連れて行くことにした。

 

「がんばってー」

マイクの前に立つと、目の前の椅子に座ったリンがじろじろこっちを見ている。
結果、緊張しすぎてがっかりな出来に。マスターに怒られた。

「リンは置いてきなさい」

マスターはため息をついて、かわいがってるにゃんこをコンビニに入れようとしてる子供みたいなノリでそう言った。

「ごめんね、リン。ちっょと向こうで待ってて」
「むー」

しぶしぶリンを部屋から出すのにもかなりの時間を要した。
「じゃあ、やりましょうか、マスター」
兄さんの目が急にきらりと光る。
リンのために本気を出すんですね、わかります。
しかし、血が滾ったような必死さにちょっと引かざるを得ない。

 

そんな様子にマスターは悩んで、戸の向こうにリンを置いておくことにしてみた。
すると、兄さんは急にいつも以上の安定高品質を実現した。
ちょっと鼻息が荒いのが難点だが。

「こわっwwwでも乙www」

レコーディング的には助かったと思いつつも、やっぱり引いているマスターでありました。
ようやく1番を取り終わった所だが、戸の向こうでは立ちんぼに飽きたリンが「おにーちゃんまだー?」と騒ぎ始めている。
振り返ると兄さんは明らかに挙動不審だ。

「…KAITO、お前今日もういいわ」
「え?」

兄さん終了のお知らせ。
そして、新曲のお蔵入りを言い渡されそうになった時、リンが突入してきた。

「ねーリンがコーラスしたいー」
「うーん…」

 

とりあえずやってみた。
やっぱり仲のよさは抜群で、息はぴったり。今までの失態がうそのようだ。
しかもリンもKAITOもいつもよりずっと調子がいい。
レコーディングはあっという間に終わりを迎えた。

「やれば出来るじゃん」

正にみんな幸せ。3人で手をたたいて喜んだ。

「リンのおかげです!!」
「お兄ちゃんのおかげだよ」

 

ふたりは声を揃えてそう言った。
そして、マスターは次は2人のための曲を書くと約束した。

 

 

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